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山陰地方にあるローカル線の木次線に乗車しました。
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木次線は島根県松江市の宍道と広島県庄原市の備後落合を結ぶ全長81.9kmの路線で、
かつては陰陽連絡路線として、広島と米子を結ぶ急行ちどり号が設定されていましたが、
陰陽連絡が伯備線とバスにメインが移ったため、地域輸送のローカル線として存在しています。
宍道駅ののりかえ案内板には広島の文字があるなど、かつての陰陽連絡路線としての名残をかいま見ることができます。
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10時54分、出雲横田からの列車が到着しました。
車内がロングシートのみになっているキハ120 4と
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キハ120 207の2両で、2両目は締切となっていました。
10名ほどの乗客を降ろし、折返し11時21分発の備後落合行きになります。
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キハ120 207に乗り込みました。木次線の車両は木次駅構内にある木次鉄道部に8両、すべてキハ120が所属し、0番台5両が全席ロングシート、200番台3両にはボックス席が4区画あります。
今度は2両目になるキハ120 4が締切になり、
キハ120 207の進行方向右側のボックス席に座りました。
11時17分に米子からの普通列車が到着すると、数名が備後落合行きにのりかえ、総勢12名で列車は出発しました。
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途中駅での乗降があり、沿線でのメイン駅である雲南市の木次には11時55分に到着し、
乗務員が交代、反対側のホームには木次12時10分発の宍道ゆき、キハ120 1が停車していました。
半数以上の乗客が下車、乗車してきた3名とあわせて9名で木次を出発。
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しばらくは乗降のない状態が続きましたが、出雲三成で2名が下車、
観光トロッコ列車の奥出雲おろち号に乗車した場合はここで仁多牛べんとうの発売があります。
この周辺は質の高い仁多米が収穫され、列車からも棚田を見ることができます。
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出雲三成の次の亀嵩で木次から乗車した家族連れの3名が下車しました。
駅舎内の扇屋そばにいらっしゃるのでしょうか。
ここでそばを賞味すれば13時22分発の列車で帰ることができます。
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社殿風の駅舎の出雲横田には12時51分に到着しました。

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ここで1名が下車し、締切だったキハ120 4が切り離されました。
折返し13時12分発の宍道行きになり、駅にいた学生さんや数名の一般の乗客が乗り込みましたが、
備後落合行きには誰も乗りませんでした。
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普段出雲横田から備後落合までは乗客がほとんどいない状態で、きょうは宍道から乗車している、
乗り物愛好と思われるわたしを含めた3名が乗車していますが、偶然乗っていなければ空の状態で走ることになります。
昨年、一昨年は大雪のため出雲横田~備後落合間は長期間運休しタクシーで代行輸送を行ったそうです。
タクシーで代行できる程の輸送量ということなのでしょう。
この冬は島根県地方に限って言えば、雪は少ないとのことです。
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出雲横田の次は八川。亀嵩のそばが有名になりましたが、八川もそばでは名が知れていて、
奥出雲おろち号に乗車の際にはあらかじめ予約すれば駅のホームで八川そばを購入できます。
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少ない、とはいえ外は雪が深くなってきました。
宍道では晴れていましたが、空は雲で覆われました。
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スイッチバックと延命之水で有名になった出雲坂根には13時31分に到着、
駅は無人駅ですが、駅舎は建て替えられています。
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この駅の標高は564m、これから中国山地に入ります。
標高を稼ぐため、列車は反対方向に走り、再度折り返す三段スイッチバックで進みます。
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運転士さんが列車の反対側に移動し、信号が変わり、発車しました。

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左が宍道からやってきた線路、右がこれから登っていく線路です。

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右から線路が近づいてきました。
備後落合側からの線路です。
屋根の下で二つの線路が合流します。
行きでポイントが動かなくなるのを防ぐため、北海道の信号場で見られるようなポイントに屋根がついています。
ポイントの先で、線路は行き止まり。
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運転士さんがハンドルを持って列車の反対方向に再度移動します。
信号が切り替わって、今度は左に分岐します。
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右側に先ほど折り返して登ってきた線路が見えます。

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木々の向こうに一瞬だけ先ほど発車した出雲坂根駅が見えます。
スイッチバックで高さを稼いできました。
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並行する国道314号線もおろちループといわれるループ橋で高度を稼ぎます。

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おろちループの最端にある三井野大橋(みいのおおはし)。

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標高726m、JR西日本で最も高い位置にある三井野原に到着しました。
この一区間で高度を162m稼ぎました。
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三井野原にはスキー場があり、かつては広島からスキー臨時列車が運行されていましたが、
現在はスキー客も少ないようです。
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県境を越え、三井野原の次の油木は広島県になります。

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列車は定刻の14時15分に備後落合駅に1番ホームに到着しました。
宍道から3名が乗り通しました。
この駅は1番ホームから3番ホームまであり、2番ホームに三次~備後落合間の列車、
3番ホームに新見~備後落合間の列車が入り、1日で一回のホームにすべての列車がやってくる時間になりました。
宍道から乗り通したほかのふたりは新見行きにのりかえ、三次行きには新見発の列車から乗り換えたひとりとわたしが乗り込みました。折り返しの出雲横田行きには新見からの列車からふたりが乗り換えました。
規模が相当小さいながら、かつての交通の要衝としての役割を果たしている瞬間でした。